このインタビューの登場人物
インタビュアー「なべ」
カレーばっか作ってる高卒。一時レコーディングエンジニアを目指してたので少しだけ音響系の話は分かったりする。
ゲスト「おがた君」
音響機器設計、製造会社で働く社会人1年目
カメラマン「モカさん」
スケジュールが合ったので来て貰い、写真を撮って頂きました。
顔出しはちょっと…という事でおがた君の彼女さんが顔のイラストを描いてくれました。ほぼこのままの顔なので顔出しと変わらないのでは…?という疑念があります。なんならインタビュー時はマスクで顔半分隠れてたので、このイラストより匿名性がある気すらします。
ざっくり「おがた君」のプロフィール 幼少期→劇的ビフォーアフターで匠に憧れる→小学生ぐらいの時に医者に憧れる→中学生の時にサッカーボールで目を怪我して医者は諦め、薬を作る方面で医療に携わりたい→早稲田大学に入学、有機化学や生命化学の分野の勉強→根本的な原理の突き詰めが始まり物理学の道へ→光の相互作用を研究する研究室に入る→音響機器の設計、製造をする会社に就職。
目次
※インタビューを元に記事を書いてますが文章にすると伝わり辛い言い回しなどは書き換えてます。そのままの言葉で話を聞きたい方はYouTubeの動画をご覧下さい。
今やってる仕事
仕事の話からしましょうか。今働いてるところの会社名とかはダメなんでしたっけ?
どうなんですかね? SNSとかには普通に書いてますからね。別に名刺も渡せるし、ダメなことってあんのかなって、逆に。笑
いいような気はしますけど自信なくなってきました、そう言われると。実はダメなのかなーって。
まぁ、会社名は言っても言わなくてもどっちゃでもいいですけどね。やってる内容とかどういう仕事かとか、その辺の話からで良いかな。
ざっくりですけど、音響系の製品を作ってる製造業…スピーカーとかイヤホンとかを作ってる会社です。
スピーカーとかイヤホンの中身を作ってる会社でしたっけ?
そうです、中身を作ってる会社ですね。
スピーカーの中身…おがた君の会社は「振動」に関する製品の設計、製造がメイン。スピーカーやイヤホンの中には音を出すために振動するパーツが組み込まれていて、そういった部品の設計、製造を行っている。
それの卸先、顧客とかは言っちゃダメなんでしたっけ?
そうですね、顧客は言っちゃダメです。
で、何でしょう?あと仕事どんなんかってことですか?
ですね。そこの会社のメイン業務が音響系の中身、中身の設計から作ってる感じでしたっけ?
そうです、設計から作ってる感じです。まぁ、そのー…
〜ここからスピーカーやイヤホンの構造の説明が始まるも長い+本筋とあまり関係なかったのでカットしました〜
フレミングの法則でスピーカーの構造を説明し始めるおがた君。
で、なんでこの話(スピーカーなどの構造の話)をしたかと言うと、スピーカーとかの外側はあんまり作ってなくて、基本的には車載のスピーカーをやってるって言うのがあって…
車とかの?
そうです。そもそも車の中に付いてるじゃないですかスピーカーって。そのスピーカーの、振動、駆動する部分だけを作ってるっていうイメージですね。まぁ、設計してるかな正しくは。
設計して、工場も会社にあるんでしたっけ?
会社にあります。
そこで働いてもうすぐ一年?
去年(2022年)の4月に入社してもうすぐ1年ですね。
で、現状おがた君がそこでやってる仕事っていうのは設計…にはまだ関わってない?
まぁ、そんな関わってないかな。
今実際仕事ってどんなんやってるんですか?入社1年目で。
最初は研修があって会社の。社会人マナーとかスピーカーの動作原理とか一通り勉強する事があるんですよ。あとは会社の中にいろんな部署があると思うんですけど、例えば設計部、製造するための機械を設計する部…
製造する為の機械?あぁ、そのスピーカーの中身を作る機械というか…
そう、大量生産する為の機械を作る…、いや、まぁ機械を作るというよりかは機械は買ってきて、それをアレンジすると言うか、それをどういう順番で並べていくかとか、その機械を使って本当に製造出来そうかって言うのを判断する人達。
あーなるほど。
凄いざっくりですけど。正しいかは置いときますね。笑
はい。
あとは品質の人とか、実際工場で生産してどの辺に問題がありそうかって言うのを統括する人、マネジメントする人と言うか。そういう人とか居るんで、そういう人達がどんな仕事してるのか。あと品質の人とかだったら統計の勉強もしましょうね、とか。
なるほど、ウチの会社はこういう所ですよ、みたいな大枠の所から、それぞれの部署ではこういう事やってますよ、的な研修かな?それがどれくらいの期間?
それがえっと、文系と理系、まぁ、営業と技術で分かれてて、営業の人達は大体1ヶ月ぐらいかな?技術は3ヶ月ぐらいやったんじゃないかな?
技術の人達の方が研修期間が長いのはスピーカーとかイヤホンの中身についての勉強が濃いから?
濃いです。最初の1ヶ月は文系と理系と一緒になって研修する期間があったんですけど、その時は動作原理的な勉強っていうのは基礎的な事だけで、技術職だけになった時はやっぱ一歩踏み込んだ内容が…
その内容っていうのは、おがた君は大学院まで行ってるじゃ無いですか?そこで蓄えた知識よりさらに濃いっていう感じなんですか?もっと特化してるっていう感じ?
というよりは、僕は専門が今の会社と違う専門なんで、深さはイマイチ判断しかねるかな…という所かなと。
若干被ってる知識もあるけどっていう感じなんですかね。
そうですね、ちょっとだけ被ってる所はあって。
3ヶ月ぐらいの研修の後、実務に入ると最初どんな感じなんですか?
最初やってたのは、一言で言うと仕様書なんて言われるんですけど、仕様書って、例えばお客さんに製品を渡す時にどんな特性がありますかって言うのをまとめた書類とか、お客さんに製品を渡す時って何かの箱に入ってますよね?大きい段ボールに何十個とか入れたり。そう言う時に、このダンボールに貼り付けられてるシールの意味とか、このシールはこういう風に書かれてますって言う梱包仕様書って言うんですけど、そう言うのも書いたりします。
商品の仕様書だけじゃなくて、梱包の仕様書?
梱包の仕様書です。シールなんですけど、この梱包はいつ作られたやつで、いつ生産されたか分かるシリアル番号みたいなのとか、あとはどこから出荷されましたとか、そういうのをまとめたシールです。これも図面設計するんですよ。図面を描きます。
図面を描く?テンプレで作るんじゃなくて?
テンプレでやる場合もあるんですけど、新規で作る場合は描きます。
今のメインはその仕様書や説明書を作るのがメインって言う感じ?商品の設計とかは2年目とか3年目?
設計としてやったのは1つか2つぐらいはあって、貼りもの…シール。製品自体に貼るシールの構造とかは決めたりしました。僕がなんの仕事してるかと言うと、振動する製品を作ってるんですけど、それを車のディスプレイの裏に貼り付けて、ディスプレイに触った時にディスプレイを押した感が分かるって言うのが製品の用途で…
IPhoneのホームボタンみたいな。
そうですそうです。ホームボタン押した時にブルって振動した感じ、ああいう機構を車のディスプレイの裏に貼り付けてます。で、その振動するやつってディスプレイの裏に貼られるわけなんで、貼るためには両面テープが要りますよね?この両面テープを設計しました。
電子部品だけじゃないんだ。
よくよく見ると一つの製品って本当に色んな物から成り立ってるので。
その両面テープの設計って…両面テープってそれ用のメーカーからピックアップして、この両面テープ良さそうだなって、それを使うわけではない?
大体合ってるんですけど、材質とか粘着性、テープそのものの特性とか…
まぁ、ありますよね。金属には使えるけどガラスにはあまり使えないとか。
そのテープそのものの特性で良し悪しを決める事はあるんですけど、構造って商品によって違いますよね?製品に沿った形状とか
そうですね。丸い形状に貼るなら四角い形状のテープだと角の部分がはみ出るな、とか?
そうです。丸いやつに四角いテープは貼れないからテープを丸くする必要がある、とか。で、例として丸って言いましたけど、この丸が綺麗な円なのか、それとも楕円なのかっていう情報は両面テープの会社じゃなくて、その両面テープを使う僕らしか知らないので、両面テープをこういう風に切って下さいってお願いするのは僕達で、両面テープの形状を決めるのは僕達なんです。
なるほど。確かに細かい所を見ていくとそうなってくるのか。
それは僕も会社に入って初めて知りましたね。
まぁ、分かんないですね。多分、会社に入る時に全然想定してなかった仕事してますよね。
そうですね、入社前は製品全体の形状でも作るのかなってイメージだったんですけど、実際は各部品一個一個を作り込んでいくみたいな。
ちなみその設計ってソフトとかってどういうの使ってるんですか?社内専用のやつ?
いや、多分他の会社さんが作ってくれてるやつで、あれは市販って言って良いのか分からないんですけど…
業界内では使われてる感じのやつ?
そうです。
工業デザイン用の…CADCAMみたいな?
みたいなイメージのやつです。
学生時代の話
その前(就職の前)が大学院?
はい大学院です。
大学院って大学で勉強した人達がさらに何かに特化した勉強をする所っていうイメージであってます?
あってます、あってると思います。
で、おがた君は早稲田大学出身で、大学院って早稲田に属してる感じ?
いや…一応別かな…?
大学院ってどういう名称?〇〇大学大学院、みたいな?
そうです。
あ、そうなんですね。じゃあおがた君が通ってたのは早稲田大学大学院?
はい。
大学院の中にも学部みたいなのがあるの?
あります。
通ってたのはなに学部?
大学の時は「学部」って言って、大学院になると「研究科」って呼ばれました。例えば「理工学部」が大学の時の呼び方で大学院の呼び方は「理工学研究科」みたいな。名称の話だとそう言う感じですね。
まぁ、でも区分の仕方は大学も大学院も変わらないです。
それは理系とか文系とか関係なく「〇〇科」みたいな?
なんじゃないですかね。ちょっと文系のは見たこと無いので分からないですけど。
で、おがた君が通ってたのが「理工学研究科」?
そうですね。ちゃんと言うと「先進理工学部・研究科」みたいになるんですけど、まぁそれは置いておきましょう。笑
そこではどういう勉強や研究をしてたんですか?
僕の研究室だと…中略…
光の話が長かったのでカットしました!!YouTubeでは見れます。
物質と光の相互作用を研究する研究室でした。
で、大学院からもう一つ遡って大学の時はどういう勉強をしてたんですか?
大学の時はメインは化学。えっと「バケガク」の方の化学。
その「バケガク」の化学と料理とか、なんて言えば良いんだろ…?
あの理科の「科」の「科学」ですよね?
あぁ、そうそう。理科の科のカガクと化学の化のカガクって何か違いがあるんですか?
あれ、僕もよく分かって無いんですよ。笑 怒られそうですけどね。
よくQuizKnockの動画とか見てると理系の人とか出る時にバケガクの化学って強調して言ってるので何か区別してるのかなーって。
僕も最近「専攻なんだったの?」って聞かれる時に化学って答えると「バケガクの化学?」って、そう言うやり取りが何回かあったりして、やっぱ何か違うんだって。
何か違うんですね。笑
何か違いました。リンク参照
そこでの勉強って主にどう言うことを勉強したの?
まぁ、化学をやりましたと。化学って高校とかで専攻した人ならもしかしたら分かってもらえるかもしれませんけど大きく分けて4つぐらいかな「有機化学、無機化学、生命化学、物理化学」があって、最終的に専攻したのは物理化学です。
最終的にって言うことは入学時は違った感じ?
入学時は僕、薬を作りたくって。
あ、そうなんですか。
なので、高校の時に目指してたのは生命化学とか有機化学を目指してました。
そうなんですね。薬って言うのは医薬品とか?
そうです。
へー。それでどっかのタイミングで物理に?
そうです。
なにが切っ掛け?どういうタイミングで?
当時の僕は化学反応を見た時に「何で起こるのか、どうしてそう言う化学反応が起きるのか、何でだろう?」ってずっと思ってて…
何で化学反応が起きるのかって言うのを知りたいって言う方向にシフトしたんですよ。そこから色々考え出しちゃって、電子がどうとか、原理の突き詰めを始めちゃって、その結果、原理を深堀していくのは物理化学だった。
なるほど。有機化学の方はそこはそんなに突き詰めない感じだった?
もしかしたら僕の勉強不足だったかもしれないですけど、(有機化学でも)あるかもしれないです。原理的な説明が…ただ、少なくとも僕は見つけられなかった。だから物理化学に最終的に移った。
物理化学に移ったのは大学何年の時?
2年かな?
大学って、そういう専攻って簡単に変えれるもの何ですか?受ける授業を変えるみたいな感じ?
これは大学によって違うのかな?少なくともうちは研究室に入るまではさっき言った4つの化学の分野「有機、無機、生命、物理」の中から何かを選ぶ必要は特に無くて、必修科目と選択必修があって、必修科目は絶対受けなくちゃいけない科目、選択必修は自分で選んで受ける科目。なので、2年生の最初の方は生命とか有機の選択出来る科目を何個かとって授業受けてたんですけど、物理化学が気になってからは物理化学の授業をとって受けてました。
なので、完全に1つの専攻、さっき言った4つの中から選ばなきゃいけないってなる瞬間は研究室に入る時で、それが4年生になる時でした。
研究室に入るのは任意で入るんですか?どこかしらは入れよ、みたいな感じ?
どこかは入る感じですね。
そこから遡って、高校の時は薬を作りたかった?
そうですね。僕、高校の時は薬を作りたかったんですよ。薬と言うか、化学に興味があったのが前提としてあって、中学校ぐらいまでは医者良いなって思ってたんですよ。ただ、中学生の時に目にボールが直撃した事があって…
ボールって何のボール?
サッカーボールが。それで僕今、右目の右下あたり見えてないんですよ実は。で、もし外科手術するってなったら見えない所あったらダメだよなってなって、じゃあ違う方向で人を助ける、救える方法って何だってなった時に医療繋がりで薬かなーって高校の時は思って大学に進みました。
その、人を助けるみたいな、そっち方面の仕事を考えるようになったのはサッカーボールが当たった時が切っ掛けで?
いや、もっと前です。
じゃあそこまで遡って、人を助ける、将来的にそういう仕事を考えた時は?
将来の事を考えた時
小学生…、幼稚園…?
TVで難病を治す医者みたいなのが特集とかでたまにあったりするじゃ無いですか。それを小学生の時に見てカッケーって思っただけです。それがまず、医者良いなって思ったのはそこで、ただ、人に何かしたいなって思ったのは幼稚園だと僕は思っていて、劇的ビフォーアフターっていう番組ご存知ですか?
まぁ、知ってますよ。笑
大改造!!劇的ビフォーアフター 主に視聴者が依頼主として「ウチの家をリフォームして下さい」と番組に応募し、その依頼を匠にオファーし、リフォームされ家が綺麗になる様子を放送するテレビ朝日系列の番組。
家をリフォームするやつ。あの番組がめちゃくちゃ好きで「あの匠になりてー!」ってずっと言ってたんですよ、幼稚園の時。ずっと覚えてるんですよ。家の構造考えるのおもれーみたいな事を思って、真っ白な自由帳とかに家の構造ずっと描いてたんですよ。
匠はもちろん格好良かったですけど、綺麗になった家見て「ああー良いね」って言う依頼者が良いなって。今思えばあったのかなって思います。
小さい頃から人を助ける何かをしたい、なりたい気持ちはあったんですね。
多分ですけどね。
大工とか建築家と言うか、そっち方面はそんなに?
幼稚園の時はそれにちょっと憧れてたんでしょうけど、やっぱこう、大きくなるにつれて良くある夢にすり替わった瞬間があって、例えばサッカー選手とか、それこそ医者とか。まぁ、良くあるって言う言い方も良くないかもしれませんけど、子供とかがよく憧れる職業にすり替わったっぽい時期がちょっとあって、その時にビフォーアフターの匠がどこかに流れてしまった…。ただ、面白いのが結局今は何かの構造を考えてる。
そうですね。今の仕事は…そう言う所には繋がってるんですね。
繋がってるんだろうなとは思ったりしますけど。
ここまでのおがた君の人生まとめ
幼少期→劇的ビフォーアフターで匠に憧れる→小学生ぐらいの時に医者に憧れる→中学生の時にサッカーボールで目を怪我して医者は諦め、薬を作る方面で医療に携わりたい→早稲田大学に入学、有機化学や生命化学の分野の勉強→根本的な原理の突き詰めが始まり物理学の道へ→光の相互作用を研究する研究室に入る→音響機器の設計、製造をする会社に就職。
…なんで光の研究室?物理って色々ありますよね?
あります。ウチの科だと3つあって、1つは光の物理の化学、もうひとつは計算の物理の化学、あともうひとつが上手く言えないけど、最近は太陽光発電の事とかよくやってた気がしますね。ちょっと応用に近い物理化学をやってる所。その3つの研究室がありますよ、と。
前提として選択肢がその3つだった…って言うことですか?
そうです。
なるほど。で、その3つの中で一番惹かれたのが光の研究室っていう事ですか?
まぁ、そうです。惹かれたのはそこ、人が一番合った、合うかもと思って。
人が合うっていうのはその研究室で一緒に勉強する人とか?
一緒に勉強する人とか、先輩とか。研究室を決める前に研究室を見学するタイミングとかあって、その見学の中で一番しっくりきたというか、それで選びました。
じゃあそこに入るまで光についてどうのこうのは無かった?
まぁ、そうですね。
あ、そうだったんですね。笑
就職の話
光の相互作用の研究室に入った時はまだ就職は考えてなかった?
まだ考えてなかったですね。でも、実は大学3年の時に就活するか大学院に進むか考えたんですよ。考えた時にまだ勉強したいなーっていうのもあって大学院に進みました。
就職で、音響機器というか、そっちの道を考え出したのはいつぐらい?
それを考え出したのは修士1年生の秋くらいかな…?秋くらいに就職活動をせねばなと思って、何したいかなって考えた時に、音楽というか、人の感性に近い事がしたいかなと思って、それが一つの要素。で、物作りがしたい。この2つが掛け合わさった時に選択肢の1つとして音響が出てきた。
なるほど。光を扱う道っていうのはあまりイメージしなかった?
そうですね、あまり考えて無かったですね。
今の仕事までの最短ルート
仮に今の仕事を幼少期に知ってた場合の最短ルートってどんなのがあると思います?
元々音響の設計をしたいって、幼稚園の時から思ったらっていう事ですか?
そうですね。もう幼稚園の時から今、おがた君がやってるような仕事や会社を知って、そこを自分は将来目指すんだ!ってなったらどういうルートが一番最短でいけるのかなと。
最短っていうのが難しいですね。これはあと、その人の要望によると思うんですが…何個か必要な事があると思っていて、仕事をする上で。必要な知識というか…あとはその人の希望とかにもよるんですけど、まず1個、分けるのであれば国内で働きたいか海外で働きたいか。多分ここから話を始めなきゃいけない気がします。小さければ小さいのであればあるほど。
それ、国内か海外かっていうのは海外メーカーの選択肢…?今おがた君がいる業界でいうと…。
まぁ、有名な所で言うとBOSEとかがパッと出てきますけど。
BOSE…アメリカの音響機器メーカー
あーなるほど。
あくまで音響の設計っていう入りだったらです。まぁ、BOSEって言いましたけど要は国内外問わないんだったら…。
そうか。幼少期から目指すってなったら本当にトップクラスの音響機器設計と言うか…
そう、目指せると思うんですよね。
海外も目指せるって言う事か…まぁ、音響…どうなんだろ?国内でド級に有名なのはSONYとかめちゃくちゃ大手になるけど、なるほど…国内か海外か目指すってなった時に1つ分岐が生まれる感じですか。
生まれるんじゃないかなって思います。多分、幼少期に英語をやってた方が慣れが大きいと思うんで。
逆に言うとその、海外と言うか、そっちを視野に入れちゃえば国内も包括する、みたいな感じになるんですかね?
そうですね。なのでホントにもうスーパーマンを作ろうってなったらまず最初に英語を始めようって言う所から。笑
なるほど。笑
あと、ウチとかだと海外に工場持ってるので、海外の人達とやり取りする事も多いから英語を覚えてるには越した事ないです。
なるほど。じゃあ、まず語学。笑
語学だと思います。笑
思ってた斜め上のところきたな。
でも、そうな気がします。あとこっからは技術的な話になると思うんですけど…何でしょうね…うーん…
暫く考え込むおがた君。
会社に入って思うのは純粋な勉強だけではやっぱり足りない。よくよく考えてみれば、そりゃそうだなって思ったんですけど、製品を大量生産するまでの大きな流れってやっぱ知らないじゃないですか。
まぁ、それはそう。
何となく皆んな工場で沢山作ってんだろうなーって思う、僕もそうでしたし、そう思ってましたけど、単純にそれだけでは無いから。なので、その流れも大まかに知っとく…笑
幼少期から?笑
難しいなーって、それを知るにはどうすれば良いかなーって。
すげーとこ求めてますね。
最短ルートって言われたら、それも何となく分かってたら強いなって思って。めっちゃ無理な話してるんですけどね。でもまぁ、そこまで厳密にやってもしゃあないと思うんで…工場見学に沢山行くとか良いんじゃ無いですか。
おぉ。
こうやって作られてるんだー…って思うとか。勉強は学校ですると思うから…工場見学に沢山行きましょう。
なるほど…。
出来るんだったら海外まで足を伸ばしても良いかもしれないです。で、あとは実際に何かを設計したって言う経験があった方が良いかな。出来るのであれば自分で設計してみて試しに自分で作ってみるっていう流れを何かでするのが良いと思うんですね。それが何かはちょっと分からないですけど。身の回りにあるもので自分で構造を考えて作って、こうやったら上手くいった、こうやったら行かなかったな、次はこうやって設計しよう…そういうトライ&エラーを何回も自分でやること。これは作りたい物で良いと思います。
そう言うキットとかありますよね。
工作キットとか、まぁ、教室でも良いと思いますし、あるか知らないですけど。
※「電子工作 教室」「機械工作 教室」などで検索するとそれっぽいのはいくつか出てきました。
なるほど、完全に想定外の回答…
なんの勉強をしたら良いですかって言う質問だったらまた別の回答が出てきますけど。
いや、単純に中学はこういう所に行って、高校はこういう高校に行って大学はこういう所がどこかのメーカーと繋がりが強い…とか。
どの大学がどのメーカーと繋がりが強いとか僕ちょっと知らないですけど…。
まぁ、そこは分からないですよね。
やっぱりその人がどうしたいかにかなり左右されるかなっていう風に思っていて、まず音響系の設計をしたいってなった時に、その構造で本当に良いのかっていうシミュレーションが楽しいのか、形状を作るのが楽しいのか、材料的な観点からこの材料を使うのが本当に良いのかとかっていう色んな見方があると思うんです。例えば、形状を作るのが楽しいっていうのにフォーカスするのであれば会社に入る前にCADを一通り使えた方が良いですね。ってなると工業系の大学であったりとか、それこそ高専とかに入るのが良いかなって思います。
進学の方向性としてはそういう感じ?
そういう感じかなぁと。僕も高専の事良く知りませんけど、工作機械とか大きめな構造を作る機械があるって話を聞いた事はあるので。
今働いてる所って、そういう高専出身の人とか居ましたか?
居ました。なのでそういうのも良いんじゃ無いかなって。高専って確か高校から5年だったかな?途中から大学に編入も出来るそうなので、例えば4年とか高専行って20歳とか21歳になって、そこから2年間大学に編入してる人も居るんで、だから、まぁ、いざ高専に入ってやっぱ違うやってなっても大学に編入は出来るので。
なるほどね。
中学校とかはちょっとどういうのが良いとか分からないですけど。
音響機器の設計に向いてる人
あと、おがた君が今やってる仕事とかに向いてる人ってどういう人?
何でしょうね…?真面目な人…?細かい事まで気にする人とかかな?って思います。
まぁ、大雑把よりかは。
よりかは細かい所を気にする人かなーって思います。
設計とかは、まぁ向いてるんじゃないかなっていう?
向いてるんじゃないかなって思います。形状も小さい何か、ちょっとここに丸みが付いてないと作れませんっていうのがあったりして、だから細かい所まで気にする事が出来る人が良いかなと。
こだわりがめちゃくちゃ強い人とかどうですか?
それも良いと思います。こだわりが強くても。
クリエイター、デザイナー気質みたいな?
あぁ、それは必要かもしれないです。
中高生に読んで欲しい本
最後に中高生向けに本の紹介を。
「ハイキュー!!」です。
ハイキュー!!が良いなって思うのは、僕の主観全力で喋りますけど、ハイキュー!!って色んなキャラクターが居て、特に主人公の年代の4人とかだと、誰かしら何かしらの共通点があのキャラクターの中にあるだろうと思ってます。その、学生の時の気持ちのどれかがハイキュー!!の中の誰かに重なってた。一時は月島みたいな気持ちになってたりとか、一時は日向に近いような気持ちになったりとか。自分が学生の時に思っていた気持ちをこう、ハイキュー!!の中のキャラクターも思ってるような気がして、共感出来るというか、それが良かったかな。
そもそもハイキュー!!の話をすると…高校のバレー部の漫画ですよね。読んでたのは高校生の時?
読んでたのはそうですね、高校生…高校から大学にかけて読んでました。
ちょうどその時に読んでて、読んでた時期によって感情移入するキャラクターが違った?
そうですね、読んでた時期によって感情移入するキャラクターが変わったりして楽しかったなって思いましたし、あとハイキュー!!ここ良かったなって個人的に思ってるのは、結構後半なんですけど、主人公の日向が全国大会出場が決まって、自分の出来る事は何かって、影山抜きだとお前に価値はないって言われた日向が自分でもそうだなって改めて思った時に自分で何が出来るかを探すシーン。あの辺が凄く好きです。で、自分も良いなって思ってるのはあの辺で顧問の先生、武田先生に言われてた言葉で「遠きに行くには必ず近きよりす。何かを成すには一歩一歩順を追って進まねばならない」要は遠くの何かを成し遂げるには近い所一歩一歩やって行くしかないっていう言葉を日向が言われて、それを多分その後ずっと実践し続けるんですけど、予想ですけどね。なんかそれが、何て言うんでしょうね、その日向って言うキャラクターのそれまでは多分そうではなかったけど、そうする、そうやってちょっとづつ何かを積み上げていこうとする姿は何か感動するところがありました。
なるほどー。インタビューは以上です。ありがとうございました。
ありがとうございました。喋りすぎましたね。笑
…編集どうしようかなー。